プロペシアの効果とは?
薄毛対策にお悩みの方が「ミノキシジル」とともに検討するものの多くが、「プロペシア」ではないでしょうか?
プロペシアとは経口摂取にて使用するAGA治療薬となります。
本来は前立腺がんの治療薬として開発されましたが、その後の研究からAGAの改善にも有意性があることを見出されて現在に至ります。
日本を含めた世界60ヶ国以上で承認を受けるプロペシアですが、薄毛対策を真剣に考えようと思えばプロペシアの知識も覚えておくに越したことはありません。
そこで今回はプロペシアの効果について詳しく解説していきます。
攻めのリアップに対して守りのプロペシアとも度々比喩される薬剤ですが、どのようなメカニズムによりAGAを改善するのでしょうか?
AGAが進行する原因の一つとして挙げられるのが「ジヒドロテストロン」の存在です。
日頃の生活習慣やストレスといった外的要因によりホルモンバランスが乱れると、体内でジヒドロテストロンの分泌が過剰になります。
そして毛根部にあるホルモン受容体と結合することで、髪の毛の成長や生え変わりを司るヘアサイクルの順序や時間を短縮してしまいます。
通常であれば6年ほどあるヘアサイクルが、AGAを発症することでわずか1年まで短縮されてしまうのですから驚きです。
ヘアサイクルの8割程度が髪の毛の成長期にあたるため、ヘアサイクル自体が短縮されてしまうだけで髪の毛の成長は阻害されることになりますよね。AGAを発症すると細くて短い髪の毛しか生えなくなるのはこういう理由があるからなのです。
そしてプロペシアの主成分である「フィナステリド」には、AGAを悪化させるジヒドロテストロンの分泌を抑制する効果があります。
ジヒドロテストロンの分泌量を減少させることでヘアサイクルの正常化を図り、AGAの進行を阻止することに重きを置きます。
何故このような作用を発揮できるのでしょうか?
プロペシアの主成分であるフィナステリドは元々、男性ホルモンの働きを抑える抗アンドロゲン作用を有します。
より正確に言えば、テストステロンをジヒドロテストロンへと変異させる酵素である「5αリダクターゼ」の作用を阻害することにその意義があります。前立腺がんを引き起こす原因としてもジヒドロテストロンが共通しているために、フィナステリドをAGA治療薬として転用できるという訳ですね。

プロペシアの使用方法とは
プロペシアの服用方法については特に限定されていませんので、自分のライフスタイルに合わせた服用が可能となります。
ただ毎日決まった時間に服用しておくことで、飲み忘れを予防する意味でも有効です。
プロペシアの効果を実感するまでに、ミノキシジル同様少なくとも半年はかかると言われています。
もちろんその効果には個人差があるものの、継続的に飲み続けた方が効果を実感しやすいことは言うまでもありません。

飲み始めに起こる初期脱毛とは?
リアップ使用時にも最初に見られる所見として、「初期脱毛」があります。
薄毛改善のためにと飲み始めてすぐにいきなり脱毛量が増えたら気が気ではないかもしれませんが、このせいで脱毛症が悪化するのではと心配する必要は全くありません。
AGAではヘアサイクルの成長期が短くなるとともに、毛包の休止期が長くなることに原因があります。
そのため細く短い髪の毛が生えやすくなる訳ですが、症状が悪化するとそうした髪の毛まで全て抜けていってしまうことになりかねません。
プロペシア服用による初期脱毛は、ヘアサイクルの正常化が進められる途中で休止期にある髪の毛がいったん抜け落ちるために起こります。
リアップやプロペシアの使用を検討する場合には、初期脱毛が見られることがAGA改善のサインだととらえてください。
プロペシアもリアップ同様に、長期継続こそが効果を発揮する前提条件となります。
途中で安易に中断すると現れかけた効果まで失われてしまいます。
薄毛対策を講じる際には、少なくとも半年以上は耐え忍ぶ必要があることを念頭に置きましょう。

プロペシアの副作用とは
プロペシアもまた医薬品である以上、副作用があることは否めません。
プロペシアが起こすと言われる副作用としては以下の内容が含まれます。
(1) 肝機能障害
プロペシアの副作用で最も深刻なのが肝機能障害です。
肝機能障害の何が深刻なのかと言うと、肝臓はたとえ機能が低下しようと自覚症状が何もないことがほとんどです。
そのため肝機能障害が深刻化するまでに気づける可能性は低く、気づいた頃には重度ということも十分ありえます。
黄疸が発症してしまった時点では肝機能が深刻な状態まで損なわれていることが多く、一度損なわれた機能が元に戻ることは二度とありません。
肝機能障害を放置するだけで肝不全状態に進行しますので、そこから肝硬変、肝臓がんに悪化の一途を辿りやすくなります。
稀にしか起こらないと言われていますが、軽視せず考慮する必要があります。
(2) 男性ホルモン抑制による異常
プロペシアを長期服用することで、男性でも乳房が大きくなったり張りやすくなります。
プロペシアの作用として男性ホルモンの働きを抑制するため、女性らしい体つきへと変化しやすい状況を作り上げてしまうのかもしれません。
皮下脂肪を溜めやすいことも女性らしい体つきの特徴として挙げられるので、プロペシアを服用する方の中には太りやすくなったとの自覚症状を覚える方もいるほどです。
それ以外でも男性ホルモン減少による副作用として、更年期症状の一つである動悸が出たり体のほてりを感じることが考えられます。
副作用という訳ではありませんが、海外ではプロペシアの服用をやめた後に起こる「ポストフィナステリド症候群」という後遺症が注目されています。
これには以下のような症状が含まれます。
・男性不妊症
・筋肉の萎縮
・うつ様の心理状態
・乳房の異常など
上記の症状が発症してしまうと有効な治療薬は今のところ存在せず、効果が現れる確率がかなり低くなっています。
リアップを使用した場合にももちろん副作用は存在しますが、この場合は使用をやめた時点で現れた副作用は解消されます。プロペシアの使用を考える際には、こうした後遺症についても考慮しつつ十分検討する必要があります。
次回はリアップとプロペシアの効果について比較検討していきます。
どちらの効果がより優れているかに言及する記事内容となりますので、薄毛対策を講じる前に必ずこちらの記事を読み進めていただくようお願いします。
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